入れ歯を使わないと転倒リスクが2.5倍に(義歯と転倒)
投稿日:2018年8月15日
カテゴリ:入れ歯コラム
高齢者の寝たきりの原因の一つが、転倒
高齢者の約3分の1が1年間に転倒を経験すると言われています。そして、転倒した者の約6%が、骨折すると言われています。骨折の中でも、大腿骨頸部骨折は、高齢者の寝たきりの原因となることが多いと言われており、健康な生活のためには、転倒を防止することが大切です。
一度転倒すると、転倒の恐怖から引きこもることも
実際に骨折をしてしまって、寝たきりになる高齢者もいますが、骨折をしなくても、一度転倒をすると、「また、転倒してしまうのではないか」という恐怖から、高齢者の引きこもりが起こることもあるとも言われています。
義歯を使わないと転倒リスクが2.5倍に
研究は、厚生労働省研究班が、愛知老年学的評価研究プロジェクトの一環として、65歳以上の健康な高齢者1763名を3年間にわたって追跡調査を行って、義歯と転倒の関連性が調べられました。その結果、性別、年齢、期間中の要介護認定の有無、うつの有無に関わらず、歯が19本以下で義歯を使用していない人は、歯が20本ある人に比べて転倒のリスクが高くなることが示されました。
歯が少なくても、義歯を入れることで転倒のリスクが抑えられる可能性
その一方で、歯が19本以下と少ない人でも、義歯を入れることで、転倒のリスクを約半分に抑えられる可能性も示されました。歯が19本以下の人でも、義歯を使用している人と、歯が20本以上の人との間に転倒のリスクに(統計学的に有意な)違いはみられないとの報告がありました。総義歯を使っている人の研究もあります。総義歯を使っている人が、目をあけて片足立ちをした場合、義歯を入れない時は義歯を入れた時より、片足立ちができる時間が短く、動揺も大きかったのです。義歯を入れていないと、ふらつきを起こしやすくなる傾向があるということです。総義歯を外した時では、立った時や歩いた時の安定性が落ちるという報告もあります。歯を失っても、義歯を使用することは大切です。
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