残りの歯の数・入れ歯と認知症
投稿日:2018年8月15日
カテゴリ:入れ歯コラム
認知症とは
認知症とは、脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活が送れなくなった状態をいいます。厚生労働省の調査によると、認知症は、介護が必要になった原因の15.3%を占めて、脳卒中に次いで2番目に多い原因でした。2010年でも、日本の65歳以上人口の9.5%が認知症高齢者であり、2025年には65歳以上人口の12.8%になるとされています。
認知症と歯の数
認知症の患者さんは、健常な人よりも、虫歯が多く、歯の数が少なく、歯周病が多く、義歯が不安定で、歯や義歯の清掃状況が良くない、と言われています。認知症と歯の関係については、以前から多くの研究報告がされています。歯を失うことで、咀嚼能力が低下し、噛むことによる脳への刺激が少なくなるために、脳の認知領域が退行変化が起こる可能性があると言われています。さらに、咀嚼能力が低下すると、野菜などを食べにくくなって、ビタミンなどの栄養不足も起こると言われています。
認知症と入れ歯
歯を失わないようにすることはもちろん、大事ですが、歯を失ってしまっても、義歯を入れることで、認知症の発症を4割ほど抑えることができる可能性があるとも報告されています。愛知県知多半島の65歳以上の住民を3~4年追跡した研究でも、歯が多く残っている人や歯が少なくても義歯を入れている人は、歯が少なく義歯を入れていない人よりも、認知症発症や転倒の危険性が低いことがわかってきています。
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