「全部抜くしかない、入れ歯ができるまで2ヵ月間は歯がない」と言われて困った(40代男性)|入れ歯専門の歯科医院|東京池袋の萩原歯科医院

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  • 家族友人にも誰にも相談できなかった
  • 毎晩どうしようと悩み続けていました
  • こんな悪い状態でも治るのか心配です

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「全部抜くしかない、入れ歯ができるまで2ヵ月間は歯がない」と言われて困った(40代男性)

歯医者が怖くて20年足が向かなかった・・・

こちらの患者さんは、とにかく歯医者が怖くて20年足が向かなかった。痛いのを我慢する方が歯医者に行くよりましと思っていた。

思い切って行った近くの歯科医院では治療ができず、総合病院を紹介されたが、「全部抜くしかない、入れ歯ができるまで2ヵ月間は、歯がない」と言われて困ったとのことです。

治療前後の比較

治療前後の比較

治療前後の比較

治療前後の比較

当院を受診されたきっかけは?

(患者さんの話)

大量の歯石に歯が埋まって形がまったくわからない状態

治療前:大量の歯石に歯が埋まって、形がまったくわからない状態でした。

初診時の診断

治療の進め方

治療の進め方

実際にどのように治療を進めていったのか、詳細について解説いたします。

患者さんの不安の原因の特定と、不安を取り除く処置

患者さんは歯科治療への強い恐怖感があり、治療のために椅子を倒すだけでも、体がこわばり、口の中を診察しようと、口腔内用の小さなミラーを入れようとしても、恐怖感のために、唇を強く閉じようとして、診察することができませんでした。

歯石も大量についているため、歯の形もわかりません。何とか、歯の形が見えるところまで、大きな歯石だけでも除去しなければなりませんが、患者さんの恐怖が強く、ミラーでさえ、入れることができないので、歯石除去の機械や器具を口の中に入れることは全くできませんでした。

今までの歯科医院でも、総合病院でも、治療がうまくいかなかったのは、治療の前に、患者さんの歯科治療への恐怖感の原因を特定できず、不安な思いや不信感、恐怖心を取り除くことができず、治療のために口を開けてもらう協力を得られなかったためと思われました。

そこで、患者さんが何に強い不安を抱えているか、何が怖いのか、何をしなければ口を開いて治療をさせてもらえるのか、副院長の医療カウンセリングで、丁寧にヒアリングをしていきました。

その結果、下顎の前歯が抜けてしまうことへの恐怖が、患者さんの強い不安と緊張の一番の原因であることを突き止めることができました。確かに、下顎前歯はひどく動揺して、今にも抜けそうな状態でしたが、義歯ができるまでの間、抜けないように、歯の固定を行えば、患者さんの不安は減らすことができます。

すぐに、下顎前歯の固定を丁寧に行いました。単に固定するだけでなく、歯を噛み合わせたときに、上顎の歯が当たると固定が外れてしまうため、下の歯が強く当たらないように、全体の咬合調整も必要でした。患者さんは、ご自身の不安の理由が明らかになり、それをすぐに改善できたことで、すっかり安心され、口を大きく開けて治療を受けることができるようになりました。

残せる歯と、残せない歯の診断、治療の計画と義歯の設計

次に必要なことは、レントゲン検査を行って、歯周病の重症度を診断し、残せる歯と残せない歯の診断です。歯の診断をせずに義歯を作製することが、「入れ歯になると歯がダメになる」という誤った通説の原因になっています。

どの歯が残せるか、どの歯ならバネをかけても大丈夫か、歯科医師の確かな診断能力が必要です。検査の結果、上顎は、残せる歯が4本、抜かなければならない歯が8本ありました。下顎は、残せる歯が5本、抜かなければならない歯が8本でした。

総合病院では、全部抜くことになるかもしれない、と言われたそうですが、患者さんが、初めて入れ歯を使う場合など、いきなり全部の歯がない総入れ歯になるよりも、短い期間でも残せそうな歯があれば、出来るだけ歯を残して、部分入れ歯にすることで、いきなりの総入れ歯よりもかなり使いやすく、ストレスが少なく入れ歯の生活に入って行けるものです。

このように、ただ、義歯を作るのではなく、入れ歯を使う生活に入っていく患者さんの負担をどうやったら軽減できるか、細かい点まで考慮しながら治療を計画していくことも、歯科に対しての不安が大きい患者さんだけでなく、すべての患者さんにとって必要な対応だと当院では考えています。

歯科への恐怖心が、とりわけ大きい患者さんでしたので、入れ歯を使い始めることへの負担軽減を考慮し、慎重に入れ歯の設計をしました。

歯石で埋まっている歯が見えるように、大量の歯石を除去する

歯が歯石で埋まって見えない状態では、抜歯をしてすぐに装着できる義歯を作製するための型取りもできません。歯並びを決めるための写真も撮れません。いままでの歯科医院では、歯石除去もできなくて、治療が進みませんでしたが、まずは、歯が見える状態まで歯石を除去することが、義歯治療を始めるための最低条件です。

歯石除去は、通常は歯科衛生士が行いますが、この患者さんの場合は、不安が強いばかりでなく、歯への負担をかけずに固く大量の歯石を除去することが必要で、歯科衛生士では対応が困難でした。副院長が患者さんへ声をかけながら、2時間かけて、岩のようになっていた歯石を除去して、入れ歯治療ができるように、準備をしました。

歯石除去前

歯石除去前

大量の歯石に埋まって、歯の形が判別できない状態です。

歯石除去後

歯石除去後

ようやく歯の形、虫歯などが判別できるようになった状態です。ここまで歯石を除去しないと、抜歯後すぐに装着する義歯作製のための型取り、写真撮影、咬合採得他を行うことができません。

前の医院では、歯科衛生士の5分程度の歯石除去で、「取れました」と言われたこともあったそうですが、歯石に埋まったご自分の歯の写真を見た患者さんは、全く取れていなかったことが明らかになり、「あの歯石除去は何だったんだろう」と、愕然とされていました。

残念ながら、他の歯科医院で「歯石を取りました」と言っても、実際は取れていない患者さんがたくさんいらっしゃいます。この患者さんの場合も(前出の写真のように)まったく取れていませんでした。

今回、患者さんは、最初は口を閉じようと、力をこめて治療を拒んでいましたが、副院長が丁寧に話を聞いて問題を整理した後は、問題なく口を開けて治療に協力してくれるようになりました。患者さんにとっての不安は、人によって違い、一人として同じではありません。

特に、重症のケースでは、歯科医師と患者さんが一緒になって治療に向き合うことが必要で、治療の内容や必要性を丁寧に説明することは極めて重要です。しかし、相談に訪れる方のお話を聞くと、残念ながら、患者さんの気持ちに寄りそい、患者さんにもわかりやすく丁寧に説明することは省いて、とにかく早く治療を進めよう、という歯科医院も少なくないようです。

歯が無い時期を作らないように、抜いてすぐに装着できる義歯を作製する

入れ歯装着前後の比較

入れ歯装着前後の比較

入れ歯装着前後の比較

今までの二つの歯科医院、総合病院でも、「歯を抜いて、入れ歯ができるまで2ヵ月かかる」と、言われたことが、仕事をするうえで、大きな問題になって、治療に踏み切れなかったことは、初診相談時の聞き取りでも明らかでした。

見た目もよく、顎の土手にぴったりと適合し、咬んだ時にも安定する質の良い義歯を作るためには、当院でも、確かに2ヵ月~3ヵ月かけて、丁寧に治療を進めなければなりません。抜歯をしてすぐに装着できる義歯は、細かい処置をしながら時間をかけて作る余裕が無いため、精度や審美性の点でやや劣る応急の義歯になってしまうことは否めません。

しかし、この患者さんの場合には、歯がなくならないように、抜いてすぐに装着できる義歯治療をしなければ、仕事に支障が出てしまうため、自費治療でもよいので、とにかく、歯がなくならないような義歯治療をすることが、第一の希望でした。

歯がない時期を作らないような義歯治療には、歯を抜かない段階での型取りで、歯を抜いた時に入れられる義歯をあらかじめ作製して準備しておかなければなりません。見た目やある程度の機能性を備えた、抜歯後すぐに装着できる義歯を作るには、歯科医師だけでなく、歯科技工士の高い技術と経験、義歯に対する深い知識も必要です。

当院で義歯作製をお願いしている技工士は、一般の歯科医師以上に義歯(入れ歯)に対する深い知識を備え、高度の技術と審美性、豊富な経験をあわせ持ち、当院の患者さんの難しい悩みの解決に、私たちと一緒に考え、対応してくる、優秀な技工士です。

この患者さんの治療でも、顔の写真の計測をし、自然な歯並びになるように技工士とディスカッションを重ねて、歯を抜く日の前までに、歯を抜いてすぐに装着できる応急の入れ歯を作製準備しました。

歯を抜いて、あらかじめ作製していた義歯をお口に合わせて調整装着する

当院では、抜歯をしてすぐに義歯を入れたときの違和感や発音の工夫、食事の注意、抜歯後の傷の治り方などを、歯科医師が、治療の前に、あらかじめ、患者さんに丁寧に説明をします。 義歯をよくわかっている歯科医師が説明を行うことが、患者さんの安心につながります。

義歯は全く専門外の歯科衛生士や、医療の資格が無いトリートメントコーディネーターでは、義歯治療の本質を知らないため、患者さんの不安を取り除く説明はできません。患者さんの質問にも的確に答えることができません。 義歯には、どのような使い方の工夫が必要か、どれくらいで慣れてくるものか、義歯になった時の話し方はどうなるか、など、義歯を装着する前に、歯科医師が丁寧に説明をすることで、患者さんの不安やストレスを大きく減らすことができます。

この患者さんは、上下で合計16本の抜歯をしましたが、このように、多数の歯の抜歯を行う場合も大きな不安を持つことは当たり前です。 私たちは、もし、自分だったら、自分が受ける治療については、内容、痛み、その他の細かい情報を、素人からの説明ではなく、実際に治療を行う歯科医師から説明を受けたいと思います。

実際に、当院で、歯科医師からの丁寧な説明を受けて抜歯や義歯治療を行う患者さんは、何も知らされずに治療をされるより、安心して義歯の生活に入って行けた、とおっしゃって下さいます。 患者さんを、できるだけ不安にさせないような配慮は、歯科医院を苦手に思う患者さんを作り出さないために、もっと歯科医師が取り組むべき点だと私たちは思っています。

抜歯をした後にすぐに装着する義歯は、(本格的義歯治療とは違って)丁寧な型取りや歯並びの微調整はできずに作製しなければならない義歯ですが、抜歯後のお口の状態に合わせるように調整をしていきます。 患者さんは、抜歯をしてすぐに義歯を装着した後、問題なくお帰りになりました。 見た目(審美性)も、今までの状態より、想像以上に改善されたと喜ばれました。(前述 写真参照)

抜歯後の傷の確認と義歯の調整

義歯を装着した後は、義歯を使っていただきながら、抜歯後の傷の状態を確認し、顎の土手の治りに合わせて、義歯の調整を行いました。(当院の義歯としては)応急の義歯という位置づけのため、当院で丁寧に治療を行う本格的義歯の精度は確保できていませんが、審美性(見た目)も、機能面も、満足していただいています。

患者さんは、16本の抜歯をしたので、その直後は、噛んだ時に義歯が抜歯の傷に触ることで痛みを感じましたが、約3週間後は、抜歯の傷も治り、まったく問題なく義歯を使えている状態です。

治療前後の比較

治療前後の比較

治療前後の比較

治療前後の比較

治療前後の比較

治療後の患者さんの感想

  • 丁寧に対応をしてもらって、何年も悩んでいた不安な気持ちから解放された
  • 食事も、会話も、仕事も全く問題ない
  • ひどい口の状態を家族が知ったら、どう思うか心配で、ずっと家族にも言えなかったが、今回思いきって話をしたら、妻から「そんなことで、家族が壊れることなんてないよ」と言ってもらえた
  • 抜歯の治療の前に、先生から抜歯をした日には、やわらかい食事を用意しておくように、説明を受けていたが、家に帰ったら食べやすいようにと、娘が麻婆豆腐を準備してくれていて嬉しかった
  • 歯石を取ってもらって、とても快適
  • 口臭もなくなった
  • 今までなぜか、のどが渇いて常に何か飲んでいたが、今はそれもなくなった
  • 今まで何もしてこなかったのは、いったい何だったんだろうと改めて思う
  • 前の歯科医院で、5分~10分という短い時間だけ、チョロチョロ歯石を取って「歯石を取りました」と言われたのに、まったく取れていなかったのを知って、今までの歯石除去は、いったい何だったんだろうと思う
  • よく笑うようになったと自分でも思う
  • 仕事も問題なくできている
  • 今日の会議は全員マスクを外していたので、自分も気にせずにマスクを外して参加できた
  • もっと早くこちらに来ていたら良かった(涙ぐみながら話をしてくださいました)

患者さんのアンケートからの抜粋

患者さんのアンケートからの抜粋

歯医者が怖く、仕事が忙しいのを言い訳に治療もせず、既に歯は限界に達していました。近所の歯医者では治療が進まない。総合病院にも行き先生判断で抜く歯を決め、最悪2ヶ月は歯のない状態を覚悟してくださいと言われて途方に暮れていた中、貴院のWebサイトを拝見しました。

大袈裟かもしれませんが、貴院との出会いは私の人生にとって大きなターニングポイントでした。

初回相談では副院長がじっくりと話を聞いてくださり、どのような治療になるのか説明して頂きました。即時義歯の治療をすれば、これぐらいの期間でここまで良くなります。
この期間は食事も会話も辛いですと、メリット・デメリット含め将来に向かってのイメージがはっきりと掴める内容でした。

翌日には治療をお願いしていました。将来の説明がないまま、治療を進める他の歯医者とは違い、患者との信頼関係がこのタイミングで築かれるのだと思います。

治療が始まっても、怖がる私を常に励まし、怖がる原因をまず真っ先に取り除いて下さいました。治療を進める度に信頼感が増していき、何も怖いものはない、もうお任せでと安心して通院出来ました。

治療を終え、今では普通に食事をし、普通に笑えています。普通のことが出来る幸せを取り戻せたことに感謝しております。院長、副院長、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。

今後の方針

見た目も問題なく、食事も問題なく、会話も問題なくできていますが、歯周病の治療(歯石除去や歯磨き指導)は、大きな歯石を除去しただけで、歯肉の下の深い部分の歯石除去はまだできていません。患者さんの希望もあり、残った歯をできるだけ維持できるように、これから、徹底した歯周病治療を行う予定です。

義歯も、患者さんは、見た目、機能面ともにかなり満足されていますが、(萩原歯科医院の義歯としては)十分な手順を踏んでいない応急の義歯で、長期にわたって快適に問題なく使える義歯でないことは、患者さんにお伝えしてあります。

まずは、残した歯の歯周病治療を行い、定期健診を行いながら、今後の本格的な義歯治療のタイミングを患者さんと一緒に検討していくことになりました。患者さんは、ご自身も当院の症例を見て、ここなら、自分の口も何とかしてもらえるかもしれないと、思い切って相談に訪れ、今、信じられないほど快適になったと、とても喜んで下さっています。ご自身のように、困っている方の助けになればと、今回症例の写真などを掲載することを快諾してくださいました。

長年、無料相談を行っていると、歯科医師から「これ以上は無理です。あとは頑張って使ってください。」と言われた、という患者さんも少なくありません。そこの歯科医院では、「これ以上は無理」かもしれませんが、「どこへ行っても、どうせこんなものだろう。」などとあきらめずに、いくつかの歯科医院に実際に相談に行ってみてください。

お口の悩みが解決される道が見つかると、毎日の生活のストレスが少なくなります。この記事が、歯の治療で悩んでいる方に、すこしでもお役に立てれば、幸いです。

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