残された歯を守るために
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長く使えるため、残された歯を守る
入れ歯(義歯)治療とは、単に良い入れ歯を作ればよいのでしょうか?実は、入れ歯治療の成功のための条件は、残された歯をいかに守れるか、にかかっているのです。入れ歯治療をやり直している方の中には、入れ歯は壊れずに残っているという方がたくさんいらっしゃいます。入れ歯は壊れていないのに、残っている歯がぐらぐらしたり、虫歯になって使えなくなって再治療をするというケースが大変多いのが現状です。つまり、入れ歯は残された歯をいかに守るかが、治療のポイントです。
部分入れ歯が悪くなるお決まりのパターン
奥の歯を失って作った部分入れ歯
部分入れ歯を装着した状態
バネをかけた歯が抜けて使えなくなる
大きな部分入れ歯を新しく作ることになる
私たち歯科医師は、入れ歯を作ることだけを治療の目標にしてきてはいなかっただろうか、私はずっとそのことを思い悩んでいました。残された歯を最大限有効に生かしながら、長期を見据えた部分入れ歯を作り、残された歯を守ること、そのためのシステムを萩原歯科医院では追求し、構築してきました。
① 精密検査
一人ひとりに適切な治療方法を提案
歯を失った原因は何か?虫歯や歯周病のなりやすさはどうか?バネや特殊な装置など、入れ歯の維持に使う歯の力はどうか?検査結果を踏まえて、患者さんお一人おひとりに対して治療法をどうするか検討します。この検査結果は、入れ歯を長く使っていただくため将来を見据えた治療計画の基礎資料にもなります。後日、検査結果をお知らせするとともに、検査結果に基づいた最良の治療計画を書類や模型を見ていただきながら、詳しく説明いたします。同時に、治療に対する不安、疑問点についてお答えしたり、治療期間、費用他についてのご希望も伺う相談の時間としても、位置づけています。すべての資料はお持ち帰りいただきます。治療の内容、方法、費用をご家族とも話し合うためにご利用いただいています。当院では、セカンドオピニオンを求めることも積極的にお薦めしています。選び、決定するのは患者さんです。納得した治療法を選ぶ権利が患者さんにあることを、歯科医師は忘れてはいけないと思っています。他の歯科医師に意見を求めることは、ある意味で、歯科医師にとっては自分の診断能力を問われることでもあります。しかし患者さんにとって最良の治療を提供するために、責任を持って検査・診断をし、それを明らかにすることを萩原歯科医院はあえて行います。それは医療人が今まで最もおろそかにしがちであり、実はもっとも患者さんのためになる姿勢だと考えるからです。
② 個別口腔管理指導
お口の健康をいつまでも保つために
この個別口腔管理を指導するプログラムは、歯を生涯守るために不可欠な、虫歯や歯周病を未然に防ぐための重要なプログラムです。この中では、ご自身の歯垢を実際に顕微鏡で見ていただいたり、ブラッシング指導・専用の器具を用いたお口の中の清掃など、予防に関する情報をお伝えし、お口の健康を維持する知識とスキルを獲得するための時間です。今までに歯を失った原因を正しく理解していただいた上で、これ以上歯を失わないように患者さん自身によるケア(ブラッシング)を一緒に練習しつつ身につけていただけるようなお手伝いもいたします。せっかく治療をしたことで取り戻したお口の健康は、残っている歯の健康を保つことができれば、部分入れ歯も含めて長く機能させることが可能になります。お口の健康で問題になるのは虫歯と歯周病。そしてその原因は細菌(歯垢)です。この歯垢は実は、細菌の塊、これが歯の表面に付着したままでいると、大切な歯と歯肉や歯を支える骨などの歯周組織を壊していきます。日常生活の中でこの歯垢をきちんと取り除くことをご一緒に考えます。実際に歯ブラシの使い方を練習し、効果的な歯磨きのやり方を身につけていただくことは、健康なお口を保つために欠かせないポイントです。患者さん一人ひとりに適した予防指導を行い、ブラッシングに関してもご一緒に練習いたしますので、効果的なお口の管理方法を見つけることができるようになります。
③ プロフェッショナルクリーニング
終わりがはじまり、入れ歯をもう作り直さないために
全ての治療が終わって回復することができたお口の健康は、3~4ヵ月に1度の定期検診を通じ、将来にわたって守ることができます。これこそが、入れ歯を作った患者さんに歯科医師が力を入れて提供すべきシステムです。この定期健診なくして、入れ歯治療が成功したとはいえません。長期間にわたって、入れ歯を使い続けることができること、入れ歯の作り直しをしないですむこと、そのためにお口のメインテナンスはとても重要です。
- 歯のクリーニング
- 虫歯の予防剤(フッ素)の塗布
- お口のお手入れ方法のチェック
- 歯周病のチェック
- 虫歯のチェック
これらを1回につき約60分かけて行います。検査結果をご報告することはもちろん、写真・レントゲンなどは保存し、経年的な観察を通じて、健康なお口を維持していただくために活かされます。残された歯を守るため、そして同時に入れ歯を長く使っていくためのシステムです。