歯が少なくても、咬合できることが大切
投稿日:2018年8月15日
カテゴリ:入れ歯コラム
歯の数が大事か?噛めることが大事か?
歯があっても咬めないと、大事な栄養素を摂ることができない
多くの研究から、歯がたくさん残っている方が、認知症や転倒防止、寝たきり予防になることは明らかです。しかし、歯がたくさん残っていても、ひどい歯周病でぐらぐらで野菜や果物、固いものが食べられない場合などもあります。大阪大学や慶應大学、東京都健康長寿医療センターなどが中心となって、2010年から70歳1000名、80歳1000名、90歳300名を対象とした研究では、歯の数より、咬合力の方が、栄養素をより良く摂取できることに関係しているという報告をしています。咬合力の弱い人は、緑黄色野菜や魚貝類の摂取が少なく、動脈硬化の予防に効果がある抗酸化ビタミン、食物繊維などの摂取が少なくなります。単に歯があることや歯を残すことより、義歯を含めた口腔機能の維持の方がより重要であることを明らかにしています。
咬めることと運動機能
また、同じ研究から、咬合する力が弱い人は、下肢の運動機能の低下が認められ、転倒の要因になることも示されました。残っている歯の数は、多い方が良いのですが、それが、きちんと噛める状態であるかどうかの方が、実は、重要であるという報告でした。歯を失っても、噛めるようなお口の状況にすることが大切です。
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